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岐阜県 安藤 好晶

皆さんのまわりには、原子や分子という言葉がとび交っています。しかし、みなさんは、残念ながら原子、分子という言葉だけをおぼえているのではないでしょうか。このような目に見えにくいものを認識するには”感動”が必要です。たとえばぼくは小学校6年生のとき、モーターを作りました。エナメル線をまいてコイルを作り、ブラシをつけて、最後に電池をつなぐと、モーターは回りました。なぜ、モーターが回るのかわからなかったけれども、そのうれしさというか感動は今でもおぼえています。しかし昔話で、目の不自由な人が”ぞう”の 足だけにさわって、「”ぞう”はなんて太い。」と思い、また別の目の不自由な人が鼻だけにさわ って、「”ぞう”はなんて長い。」と思ったという話があります。皆さんの感動がどんな認識 を引き出すかはわかりませんが、ぼくはモーター作り以来、電気について(原子や分子と同 じように目には見えないですが)原子や分子よりも何かわかるような気が今も続いています。 それではぼくなりに味わった感動を紹介します。

感動1
振動とは


ぶた笛またはストロー笛をつくり、振動を目で見てみよう。
1. 材料
(1) ストロー(直径が太いものがよい。例えば8mm)
(2) フィルム
(3) セロハンテープ
(4) ふうせん(薄いものがよい。子供がふくらませれない。)

2. 作り方
(1) ストローを斜めに鋭角に切る。 ストローの切り口を斜めから見たところ

(2) フィルムの 点線のところを 切って右図のよ うなものを作る。

(3) この位置が よく見えるよう にやはりサインペンで印をつける。

(4) セロテープを つけて、ストロー に張りつける。
(5) 余分のところ を切り落とす。

(6) フィルムを張りつけたほうを口のなかにいれて、吹いて、 音が出ればよい。
(7) ふうせんをつけてセロテープでとめて終わり。

セロテープでとめる前にふうせんの口を指で押さえて音が出るか確認をしたほうがよい。

感動2
オルゴールの振動から原子分子を想像する


実験1オルゴールを台につけて鳴らした場合と台からはなして鳴らした場合とを比べて みよう。どうですか
実験2オルゴールを部屋のなかで壁につけて鳴らした場合と部屋の外で壁につけて鳴ら した場合とを比べてみよう。どうですか。
実験3ものが振動して音が伝わってくる様子をイメージして絵に描いてみよう。
どうですか、少しは原子分子がイメージできましたか。なかなかむつかしいでしょう。原子 分子が認められ証明されたのは原子爆弾ができたころですから、ドルトンというえらい科学 者が原子論を言いはじめてからなんと100年以上もたっているのです。むつかしいのもあ たりまえです。それではなんとか君達もイメージをはっきりとしたものにするために分子模 型を作りましょう。
分子模型作り
分子の1億倍のモデルを2.5cm 、3.0cm 、3.5cm の発泡スチロール球で作りましょう。 なぜこの大きさの発泡スチロール球を使うのかというと、その理由は まず原子の世界はÅ(オングストローム)の単位で表します。そして1Åを1億倍すると1cmになります。それで
直径2.5cm の発泡スチロール球は水素原子(直径2.4 Å)
直径3.0cm の発泡スチロール球は酸素原子(直径3.04 Å)
直径3.5cm の発泡スチロール球は炭素原子(直径3.4 Å)
にちょうどなるわけです。そこで酸素分子は

という具合にまるい酸素原子が2こくっついて、上の図の右のような分子になります。こ のような分子の模型をこれから作りましょう。きょう作る分子模型は酸素O2 のほかに、水 H2O、二酸化炭素CO2、メタンCH4です。中学生のみなさんは教科書でこのような化学記 号や分子の絵を見たことがあるでしょう。
なぜ、熱気球は空を飛んでいくのでしょう。またなぜ、木は水に浮くのでしょう。あの重 い船だって水にうきますね。軽いから浮く、重いから沈むという理由以外に、原子論、分子 運動という立場に立った説明ができるようになると、もっと、もっと君達のまわりの世界が 拡がっていくと思います。