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1.はじめに 筆者の以前の勤務校の砺波女子高校では、生活福祉科の生徒を対象とした総合理科の授業で、課題研究とその発表会を行っている。生徒は、既製の教科書を中心とした化学の授業にはあまり興味を示さないが、手作りの実験を中心とした総合理科の授業では生き生きと活動しており、研究発表にも他の授業では見られないほど熱心に取り組んでいる。かねてより、身の回りにある素材を活用した手作りの実験は、生徒たちに深い驚きと感動を与え、高い教育効果を上げると指摘されている[1]が、その通りの結果である。しかし、手作りの実験教材の開発は、かなりの時間とエネルギーと費用が必要であり、大きな苦労があるが、関係各位の協力を得て、われわれは、精力的に取り組んできた。 また、数年前より、全校をあげて環境教育に力を注いでおり、成果は毎年外部に発表している。H9年度は水(河川)の浄化を中心に研究が行われ、北陸地区高等学校家庭クラブ研究発表大会で発表した。この研究の過程で、食物中の炭水化物やタンパク質のゴミがどのように浄化されていくかについて調べた結果、土壌細菌が大きな役割を担っているといわれている事が分かったので、このことを確かめるために、土壌細菌によるデンプンとゼラチンの分解に関する実験を開発し、課題研究として行った。課題研究としての実施については、先に報告した[2]。今回はデンプンの分解と糖の生成に関する実験の方法に関する詳細を報告する。 2.デンプンの分解実験
<デンプンと土との反応>
<分解生成物を特性反応で調べる>
<分解生成物をTLCで調べる> −スポット−
3.結果
4.考察
5.終わりに 本報告では、土壌細菌により、デンプンが分解されて糖がいくつか生成し、さらにこの糖も順に分解されることをベネジクト反応とTLC分析で示す生徒実験を新たに開発し、実施した詳細について明らかにした。さらに、土壌細菌によるタンパク質の分解とアミノ酸及びアンモニアの生成についても実施している。二つとも、環境における物質の分解と循環を示す教材として、興味あるものと考えられる。 なお、上記の生徒実験は、高等学校ユニーク活動事業により実施された。ここに記して、関係各位に感謝いたします。 又本報告は、日本化学協会の研究紀要 第32巻72ページ(2000年度)及び化学教育ジャーナル( http://chem.sci.utsunomiya-u.ac.jp/v6n1/shima/ )に掲載されたものを一部修正し、割愛したものである。 参考文献 [1] 小出力,化学と教育,43,213 (1995). [2] 島弘則,宮崎三保子,日本理科教育学会北陸支部大会要旨集,1998年10月 [3] 藤谷健,板東英知,化学と教育,44,554 (1996). [4] 伊藤広美、身近な素材を生かした化学教材の研究、全国理科教育センター研究協議会編(1990) |
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